不動産投資における自然災害リスクと対策

  • #不動産投資
不動産投資における自然災害リスクと対策

入居者の家賃滞納、空室リスクなど不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、自然災害もその一つです。

ここ数ヶ月を振り返ると、各地で記録的な大雨や水害が発生しました。6月は「スーパー台風」と呼ばれた台風2号が愛知県や静岡県を襲い、7月は九州で線状降水帯が発生し死傷者が出るなど、各地で大きな被害が出ています。また、先月末も秋田県や千葉県で短時間大雨が発生し不安定な天気が続きました。

 

実際、雨の発生頻度は近年増加傾向にあります。気象庁によると、最近10年間(2013~2022年)の短時間豪雨(1時間降水量50ミリ以上)の平均年間発生回数は、統計期間の最初の10年間(1976~1985年)と比べて約1.5倍に増加しています。また、2030年代に発生する確率が高いとされている南海トラフなど、地震大国でもある日本は今後起こりうる様々な自然災害に備える必要があるでしょう。 

今回は、不動産投資における自然災害リスクをテーマにお話します。実際に災害が起こった場合、損害を受けた投資物件はどうすればいいのでしょうか。自然災害時に起こりうるリスクとその対策について解説していきます。 

不動産投資にける災害リスクとは

自然災害はいつどこで起こるかわからず、備えていたとしても被害を完全にゼロにすることはできません。もし、所有する物件の地域で自然災害が起こってしまった場合、不動産オーナーが受ける被害はどのようなものがあるでしょうか。まずは、自然災害の発生時に起こりうるリスクについて解説します。

 ①不動産の損害に対して修繕義務が問われる

そもそも賃貸契約の基本として、民法では「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」(民法第606条「賃貸人の修繕義務」)と定められています。つまり、オーナーには常に建物を居住可能な状態で提供する義務があり、居住に支障をきたす損傷があった場合は(建物が全壊した場合を除き)オーナーが修繕費を支払うことになるのです。例えば、自然災害によって水漏れが発生したり、窓ガラスが割れる、網戸が無くなるなどのケースは全てオーナーが修繕します。

 

損害賠償責任が生じる場合がある

自然災害は不可抗力のため、基本的に損害賠償責任が生じることはありません。しかし、不動産の瑕疵や老朽化があって死傷者が出た場合はオーナーに損害賠償責任が生じます。また、物件が建てられた当時の建築法を満たしていなかった場合もオーナーの過失として多額の損害賠償責任が生じてしまうので注意が必要です。

 

入居者が修繕費を負担する場合

一方、入居者が修繕費を負担する場合もあります。物件の規則を破ったり、天候に応じた行動を取っていなかったなど、入居者自身に問題があった場合です。例えば、物件の規則違反であるにもかかわらずバルコニーに物置を設置し、台風で物置が倒れ、窓が割れたとしてもその責任をオーナーが取る必要はありません。また、家具の下敷きになって怪我をしたり、建物から逃げる際に転ぶなど建物の瑕疵や管理不足が原因でない場合も同様です。このように、入居者の不適切な行動による損傷は入居者自身の責任となります。

 

 

自然災害への対策

このように自然災害が起こった場合、物件の損傷は原則オーナーが修繕します。自然災害を未然に防ぐことはできないので、オーナーとしては被害を最小限に抑えるために対策を施すことが重要です。自然災害が起こる前にできる対策にはどのようなものがあるでしょうか。

 

火災保険や地震保険に加入する

自然災害に備える方法として、1つ目は保険に加入することが挙げられます。不動産のオーナーの場合、保険の加入は任意になりますが、ほとんどのオーナーが保険に加入しています。例えば、火災保険の主な補償内容は次の通りです。 

 

1. 火災・落雷・破裂・爆発

2.風災・雹災・雪災

3.水災

4.水濡れ

5.外部からの物体の衝突・破壊行為

6.盗難

7.不測かつ突発的な事故による破損・汚損

8.臨時費用補償特約

9.建物管理賠償責任補償特約

10.電気的・機械的事故補償特約

11.弁護士費用特約

12.家賃収入補償特約

13.家主費用補償特約

 

先ほど述べたように、自然災害の修繕費は多くの場合オーナーが負担します。起こりうる損傷に対して全て実費で賄うことは非常に大きな損失になるので、火災保険に加入することは有効な手段と言えるでしょう。ただし、注意したいのが火災保険のみでは地震による被害をカバーできないということです。水災などの被害は火災保険で保証されますが、地震に備える場合は別途地震保険への加入が必要になります。 仮にローンの支払いが終わっていないのに地震で物件が損傷してしまった場合、地震保険に加入していなければ月々のローンを支払いながら物件の修繕を行うことになります。しかし、地震保険に加入していれば保険金をローンの返済や修繕にあてることができるので安心です。また、投資用物件の地震保険の保険料は、年末調整での控除対象にはならないものの、確定申告において経費として計上できることもメリットであると言えるでしょう。

 

とはいえ、火災保険や地震保険への加入は災害が起こった後に金銭面で困らないようにする手段の1つに過ぎません。被害が最小限にとどまるよう、まずは入居者の安全を守り、日頃から物件管理を怠らないようにしましょう。

 

②新しい耐震基準を満たす物件を選ぶ

対策の2つ目は、なるべく新しい耐震基準を満たす物件を選ぶということです。耐震基準とは一定の強さの地震に耐えられるよう、建築基準法が定めた最低限クリアすべき基準のことで、1950年の制定以降、1981年と2000年に大きな改正がおこなわれました。

1950年から1981531日までの「旧耐震基準」は「震度5で倒壊しない」という内容でしたが、同年61日以降に施行された「新耐震基準」は「震度6~7の地震でも倒壊しない」というさらに厳しい基準に変わりました。そして、1995年の阪神・淡路大震災を受けて2000年に改正されたのが「現行の耐震基準(2000年基準)」と呼ばれるものです。「現行の耐震基準(2000年基準)」では、壁の配置バランスや接合部の仕様などが細かく定められ、新耐震基準以上に厳しい基準となっています。実際、2016年に発生した熊本地震で「旧耐震基準」の建物は32.1%倒壊したものの、「新耐震基準」の建物の倒壊率は7.6%と歴然とした差が存在しました。

 

このように、どの耐震基準に当てはまるかによって被害の程度は大きく変わるため、物件選びの際はその物件がいつの耐震基準を満たすか確認することも重要になります。 

 

③ハザードマップを参考にする

ハザードマップとは、一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。(国土交通省 国土地理院HPより) 近年、水害による被害が増加している日本では、不動産取引においても水害をはじめとする自然災害への意識が高くなっています。令和2717(同年828日施行)に改正された宅建業法施行規則では、取引物件がハザードマップのどこに位置するか説明することが義務化されました。

 

水害のリスクをゼロにすることは難しいですが、購入した物件がハザードマップでどの位置にあたるのか事前に確認することが大切です。また、仮にその地域が警戒区域に入っていた場合、買い手の判断によりますが、購入を渋られたり売却価格を下げなければならない可能性も否めません。ハザードマップを参考に、建物が損傷するリスクや買い手の需要・安全などを考えた上で不動産を購入するとよいでしょう。

 

 

将来の災害リスクに備え、安心できる不動産投資を

今回は、不動産投資における自然災害リスクをテーマにお話しました。自然災害によって建物が損傷した場合、原則オーナーが修繕費を賄支払わなくてはなりません。せっかく購入した不動産が自然災害に遭い、安定した収益を見込めなくなっては本末転倒です。

 

今村不動産では立地や環境、災害リスクなど総合的に判断し、継続的な収益が見込めるご提案が可能です。近年増加する水害などの自然災害に備え、安定した収益が得られるよう、今村不動産で不動産投資を検討されてみてはいかがでしょうか。

ピックアップ

不動産デベロッパーの知見を活かした不動産投資メディアサイト

不動産デベロッパーの専門知識から生まれる洞察力で、不動産投資家としての視点を磨きませんか?関西を中心に不動産開発を行う今村不動産株式会社が、不動産建築から市場分析、押さえておきたい法律、最新テクノロジー活用から実践的なアドバイスまで、あらゆる角度から不動産投資に関する情報をお届けします。あなたの不動産投資戦略を、より確かなものに。