商業ビルへの不動産投資は上級者向け? 商業ビル投資の魅力とリスク

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商業ビルへの不動産投資は上級者向け? 商業ビル投資の魅力とリスク

不動産投資における投資物件の種類は大きく分けて、マンションやアパートなど人が住むための居住用不動産と、店舗や法人といったテナントが入居している事業用不動産があります。一般的に不動産投資と言えばオフィスビルなどの事業用不動産、住宅用の不動産に目が向きがちですが、店舗が入居する商業ビルもまた有効な不動産活用・投資の対象となります。コンビニエンスストア、飲食店、ヘアサロン、アパレルショップなど、さまざまな店舗が入居する商業ビルは、居住用の不動産よりも賃料相場が高いこと、契約期間が長いことがあり、より高いリターンを得られる可能性がある魅力的な投資先なのです。

 

そこで今回は、不動産投資のなかでも商業ビル投資におけるメリット&デメリットをご紹介。近年の市況や今後の見通しについて解説していきます。

商業ビルへの不動産投資
他の不動産投資との違いは?

商業ビルとは簡単に言えば店舗が入居しているビルのことで、飲食店や物販店、美容院やマッサージ店、不動産屋や病院、薬局、塾など、様々な業態のお店が入居します。商業ビル投資はその名の通り「商業が行われているビル」を購入し、テナント賃料収入により収益を得る投資手法を指します。居住用物件に比べて都市部に集中する傾向にはありますが、地方の低層のお店などが入居する物件への投資もこのカテゴリに含まれます。

 

不動産投資はしばしば資産運用の方法としてはミドルリスク・ミドルリターンと言われますが、その中でも事業系の商業ビル投資はややハイリスク・ハイリターン寄りと言えるかもしれません。その理由を商業ビル投資のメリット&デメリットを通して説明していきます。

 

商業ビル投資における
メリット4選

 

1_賃料も利回りも高い傾向にある

不動産投資における収益となる賃料は、一般的にマンションやアパートなどの居住用不動産よりも商業ビルの方が高い傾向にあります。お店が入居する商業ビルは立地が全てです。駅前立地といった高い利便性や希少性はテナントにとって大きな魅力ですし、店舗出店需要が旺盛な立地であれば、居住用不動産よりかなり高い賃料設定でも借りたいと思うテナントは多いものです。また、優良テナントを誘致できた場合、物件自体の資産価値の向上も見込めるため、さらなる賃料のアップも期待できるでしょう。

2_保証金が高額で運用も可能

居住用不動産の敷金にあたる保証金が高いのも商業ビルの特徴です。居住用不動産の敷金は月額賃料の1〜2ヶ月分であることがほとんどです。一方で、商業ビルの敷金にあたる保証金は3ヶ月〜1年分と業態やエリアなどによって大きく開きがありますが、一般的に退去リスクが比較的高いテナントほど高額になる傾向にあります。さらに商業ビルの保証金の場合、契約内容によっては解約時に償却され、全額返還しなくてもいいケースもあります。保証金だけである程度まとまった金額になるため、オーナー側で借り入れ負担を減らしたり運用して増やすことも可能となる点で、高い保証金はメリットになります。

3_付帯コスト率が低い

これは「原状回復費用」が居住用不動産に比べて、賃料や物件規模対比で見たときに低いことが背景にあります。国土交通省によるガイドラインにより、居住用不動産の原状回復については、通常の使用による劣化をはじめ基本的にオーナー負担だと決められているため、入居者が変わるタイミングで相応のランニングコストがかかってしまうのが一般的です。対して、商業ビルの場合は借主が店内をある程度自由にアレンジする代わりに、出て行くときはもとの状態に戻しておく義務が発生する、つまりテナント負担による原状回復が基本です。これにより、オーナー側のランニングコストを定率に抑制することができるのです。

4_長期間の入居が見込まれる

もちろんテナントの業績に拠るところも大いにありますが、商業ビルに入居する店舗はお金をかけて内装工事を行います。工事した内装は違うビルに引っ越してそのまま違うビルで使うことはできないので、入居後短期間で店舗が移転することは稀です。一度入居すると、店舗がつぶれるか撤退するかしない限り、長期間借り続けることになります。これは、転居ハードルの低い居住用不動産にはないメリットだと言えるでしょう。

 

 

商業ビル投資における
デメリット4選

 

1_居住用不動産よりも空室リスクが高い

マンションやアパートなどの居住用不動産であれば、1棟に占める1戸当たりの専有面積が店舗よりも小さい場合が多く、たとえ一部屋空室が出たとしても全体の賃料収入からすると大きな割合ではありません。反対に、一区画が大きい傾向にある商業ビルの場合、ひとつのテナントの退去で賃料収入が大幅に減ってしまい、利回りに大きな影響が出る恐れがあると言えます。

2_景気動向による賃料変動リスクが高い

居住用不動産の場合、借り手の目的は住むことなので、賃貸重要が見込めるエリアであれば急激に需要が落ちて家賃収入が減ってしまうことは少ないと言えます。しかし、商業ビルの場合は入居テナントの業績が悪くなると移転・閉店されてしまいます。景気動向によっては複数の店舗が一度に退去してしまったり、最悪の場合倒産によって賃料を回収できない恐れもあります。特に昨今のコロナ禍による影響は大きく、コロナ流行当初は多くのテナントが退去する事態も発生しました。

3_入居テナント募集にノウハウが必要

入居を希望するテナントがどのようなビジネスを行うかによって、物件に求める設備や特徴は異なってきます。逆に言えば「物件の構造や特徴・立地などにより、入居しやすい業態がある程度限定される」こともあるということです。前述の通り商業ビル投資は立地が全てではあるものの、エリアごとの特性や往来する人々の層など多角的な視点からマーケット調査を行う必要があります。つまり、商業ビル投資を検討する際は「その商業ビルが立地している地域で活発なビジネスに合致しているか」を感じ取り、「入居テナントを集めやすいビル」に投資するべきだと言うことです。

4_初期費用やバリューアップコストが高額

一般的に商業ビルはマンションやアパートに比べて建物の大きさや設備機器の種類などの影響で初期費用が高額になりがちです。好立地で長期安定稼働が容易に推定できるような商業ビルであれば融資審査でも高い評価を受けることが可能ですが、商業ビルの場合は入居している、もしくは入居予定のテナントの属性について居住用不動産よりも厳しくチェックされる傾向にあります。また、テナント企業の経営状態も審査の対象となりますが、個人の投資家がテナントの経営状態まで詳しく把握することは難しいと言えるでしょう。これが、商業ビルへの一棟ビル投資が玄人向けと言われる最大の理由です。

 

また、これは居住用不動産にも言えますが、不動産は築年数の経過とともに賃料が下落していく傾向にあります。そのため、賃貸需要や賃料下落を抑えるためにリノベーションなどバリューアップが必要になってきます。商業ビルは居住用不動産ほどトレンドの変化は有りませんが、逆に、退去後の賃貸付けに関しては他物件との差別化が重要となります。その場合、程度によって工事費用は上下しますが、住居用不動産よりも工事面積が大きかったり、設備改善の工事単価が高いため、工事費用総額が高額になる傾向にあります。

 

 

商業ビル投資の物件選び
押さえておきたいポイント

 

投資なのでメリット&デメリットは必ず存在しますが、収益性の高さや中長期的な安定面で見ると商業ビルへの投資も魅力的だと言えるでしょう。では、商業ビル投資を成功させるためには何に気を付けるべきなのか。これまで何度か記載してきましたが、最重要なのは立地です。人が集まる都心部の立地を選ぶことはもちろんですが、建物が大通りに面しているか、人通りは多いか、どんな人が多いか、駐車場が近くにあるか、競合する物件が近隣に無いかなど、専門的なマーケティング戦略のもと投資判断が求められます。

 

また、物件取得後の管理にも目を向けるべきです。商業ビルへの投資・経営を成功させるためには、商業ビルの経営や管理に強い管理会社を見つける必要があります。商業ビルの管理に長けた会社に管理を委託することで、常に清潔、安全なビルを維持することができる、利益を最大化できていないポイントを改善することができる、さらに最も重要なテナントリーシングを任せられるといったメリットが見込めます。

 

商業ビル投資に
向いているのはどんな人?

 

これら商業ビル投資の特徴を踏まえると、商業ビル投資が向いているのはどんな人でしょうか。ずばり、企業の不動産投資部門です。また個人投資家であっても潤沢な余剰資産がある人です。初期費用やバリューアップコストが高額な商業ビル投資は、例えば区分マンションに投資する個人投資家にとっては対象外の投資分野です。ただし、ある程度リスクを取りながらまとまった資金を投資できる場合は、その高い収益性や中長期的な安定面を考慮すれば検討に値するジャンルだと言えるでしょう。

 

さらに付け加えるならば、本業が経営者の方には魅力的な投資ジャンルかもしれません。なぜなら、自身がビジネスを営んでいると「どのような物件でビジネスをするのが良いのか」イメージがつきやすいため、その感覚を活かして商業ビルを選ぶことで、収益物件を効率よく選択できる可能性があるからです。まとまった資金があり、ある程度リスク選好的であること、高い収益を確保したい人におすすめの投資なのです。

 

商業ビル投資の新アプローチ
今村不動産の【OMI】をお勧めします

いかがでしたでしょうか。今回は不動産投資のなかでもリスク・リターン共に高めの商業ビル投資について説明してきました。商業ビル投資の物件選びは居住用不動産よりも専門的であり物件価格も高い反面、適切に物件を選ぶことでより大きな収益を実現できる可能性も秘めてます。

 

今村不動産ではこのような商業ビルを比較的小規模から開発できる「オーダーメイド不動産」という事業を展開しています。お客様のニーズをもとテナントリーシングから契約提携まで一貫してサポートいたします。ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

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