今トレンドの不動産クラウドファンディングとは?仕組みやデメリットを徹底解説

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今トレンドの不動産クラウドファンディングとは?仕組みやデメリットを徹底解説

近年注目を集めている不動産クラウドファンディング。
少額からスタートでき、安定した利回りを得られる方法として投資家から人気を集めています。市場規模は年々急拡大しており、2022年における年間募集総額はなんと500億円を突破しました。とはいえ、比較的まだ新しいサービスであるため、実際に投資をしたことがないと「よくわからない」「難しい」と感じる方も多いと思います。
今回は、そんな不動産クラウドファンディングの仕組みや他の不動産投資との違い、メリットや注意点について分かりやすく解説します。

不動産クラウドファンディングとは?

 

まずは、不動産クラウドファンディングの基礎からご説明していきます。

 

1.そもそもクラウドファンディングとは何か

クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人(Crowd)から資金調達(Funding)することです。

近年、中小企業やベンチャー企業の新規事業や市場開拓・運営維持などでクラウドファンディングを活用するケースが増えてきています。クラウドファンディングの出資者には、出資額に応じて商品やサービスなどのリターン(お礼)があります。そのリターンによって、クラウドファンディングは大きく次の3つの種類に分類されます。

 

購入型…商品などのモノやサービスのリターン
寄付型…リターンなし
投資型…株式や金銭のリターン

 

不動産クラウドファンディングは、3つ目の投資型に該当します。2017年に改正された「不動産特定共同事業法」によって法的に認められるようになりました。今後もさらなる成長が見込まれる注目の投資手法です。

 

2.不動産クラウドファンディングの仕組み

不動産クラウドファンディングとは、複数の投資家から資金を集め、その資金で不動産を取得して運営する仕組みのことです。

従来の不動産投資(現物不動産投資)は不動産を丸ごと購入する必要がありましたが、不動産クラウドファンディングでは事業の運営者が主体となり、利益の分配を受ける権利を小口化して投資家から資金を集めます。事業には期間が決められており、その期間中で得られた利益(または収益)を投資家に分配します。

物件の修繕や入居者の管理といった重要な運用管理業務もすべて事業者が行ってくれるため、手間や費用がかかりません。インターネット上で投資したい案件を選び、申し込みと入金を行うだけで、定期的に分配金を受け取ることができます。

 

 

 

不動産クラウドファンディングと他の投資方法を比較

 

まずは不動産クラウドファンディングと似ている2つの投資方法についてご紹介します。
それぞれの特徴や違いをしっかりと理解してから投資の方法を選ぶようにしましょう。

 

1.REITとの違い

REITとは、投資家から資金を集めてマンションやオフィスビル、商業施設などの不動産を購入し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する不動産投資信託のことです。
不動産の購入がいらないという点では不動産クラウドファンディングと似ていますが、REITは法律上、上場投資信託として扱われます。そのため、証券市場で毎日値がつけられており、証券市場が開いている時間であればいつでも売買することが可能です。ただし、REITは株式と同様に流動性が高いため、リーマンショックのような突発的な事態が起こったときは、株と同じように売り込まれてしまうことがあります。REITは流動性が高いがゆえに、実際の不動産よりも価格が変動しやすいというリスクが伴います。
また、REITは不動産の選定から全ての運用をプロが担うため、投資家本人は物件の選定ができません。どのような不動産に投資をしているかという情報は公開されているものの、投資物件選びから運用まで、全て事業者側に任せることになります。

 

2.現物不動産投資との違い

現物不動産投資は、個人または共同で不動産を取得・運営する投資手法の一つです。
現物の不動産投資では、まず収益物件を取得するために数百万円から数千万円、大きな物件では数億円の元手が必要です。資金がない場合は銀行からの融資を受けることになりますが、融資の審査を受けるために事業計画書などを作成・提出しなければならず、時間や手間がかかります。また、融資を受けられた場合は、毎月の返済義務が生じることになります。維持費などにもお金を回さなければなりません。
利益をすべて自分のものにできるというメリットはあるものの、投資に回せる余剰金が少ない人や不動産投資の仕組みにあまり詳しくない初心者にはハードルが高い投資方法と言えるでしょう。

 

 

 

不動産クラウドファンディングのメリット3つ

 

不動産クラウドファンディングは、不動産運用に関する専門知識がない初心者でも比較的簡単に始めることができる投資方法です。幅広い方に不動産投資クラウドファンディングが選ばれる3つの理由をご紹介します。

 

1.少額から投資を始められる

投資に興味はあっても、高額のお金を用意できないという方も多いのではないでしょうか。不動産クラウドファンディングは、1万円から投資できるファンドも多く、比較的少額でも投資が可能です。また、大勢の投資家からお金を集めるため、ホテルや学校といった大型施設も投資の対象となります。一般的な現物投資では手が届かないような高額物件に少額からでも投資できるという点は不動産クラウドファンディングの大きな魅力です。ただし、分配される利益は投資金額に応じて変わるため、少額出資の場合は大きな利益を得ることはできません。まずは少額から始め、投資の仕組みに慣れてきたら多めに出資するとよいでしょう。

 

2.高い利回りが期待できる

不動産クラウドファンディングは、想定利回りの高いファンドを取り扱う会社が多いため、上手く投資すれば多くの利益を得られます。ファンドにもよりますが一般的に6%~8%の利回りで運用しているものが多い傾向にあります。10%を超える利回りを想定しているファンドもあり、比較的高い利回りが期待できるという特徴があります。利回りは投資前に確認できるため、どのくらいの利益が見込めるかを事前に確認しておきましょう。利回りが高ければ高いほど多くの分配金が得られます。

 

3.手間がかからない

現物不動産投資の場合、運用前には融資審査や売買契約といった手続きが必要です。運用後にも入居者の募集や物件の修繕・維持、売却などさまざまな手間と費用が掛かってしまいます。
一方、不動産クラウドファンディングは、物件を管理する手間なく投資をすることができます。運用前の事前準備が簡素化されており、運用中も事業者に運用を一任できるため、「ほったらかし運用」が実現できます。本業やプライベートが多忙な方にもおすすめな投資方法と言えるでしょう。

 

 

不動産投資型クラウドファンディングのデメリット3つ

不動産クラウドファンディングは少額から投資を始められるというメリットがある一方で、リスクや注意すべき点がゼロという訳ではありません。万が一のトラブル対策のためにもデメリットは把握しておきたいところです。ここからは、不動産クラウドファンディングを始める方が注意しておきたいポイントを3つ解説していきます。

 

1.レバレッジ効果が低い

現物不動産投資に比べてレバレッジ効果が低いというデメリットがあります。レバレッジ効果とは、小さな資金から投資効果を上げて高い収益を得ることです。不動産投資においては、自己資金+融資で自己資金以上の投資効果を得ることを指します。
現物不動産投資では、基本的に自己資金だけではなく金融機関から融資を得て、不動産を購入します。そのため、自己資金以上での投資が可能となり、より高い収益を目指すことができます。
一方、不動産投資型クラウドファンディングは少額から投資をスタートできますが、自己資金で投資することが原則です。自己資金以上の投資はできないため、収益性を高めることが難しいのです。
大きなリターンを狙うのではなく、リスクを抑えて安定的に小さなリターンを得る投資方法と言えるでしょう。

 

2.元本割れリスクがある

他の投資方法と比較するとリスクが少ない投資方法ではありますが、元本割れが起こる可能性がないとは言いきれません。元本割れとは、相場の下落によって利益が投資額を下回ってしまうことです。しかし、不動産クラウドファンディングは優先劣後構造を取り入れているものが多く、優先部分を持っていれば配当をきちんと受け取れます。事業者の倒産によっても元本割れは起きるため、信頼できる事業者を探すことでリスク回避できるでしょう。

※優先劣後構造…不動産証券化商品の信用を補完する方法の一つ。証券化商品を優先部分と劣後部分に分け、優先部分を保有する投資家は劣後部分を保有する投資家より優先的に配当等を受け取る権利を持つ仕組みのこと。

 

3.節税上のメリットが少ない

不動産クラウドファンディングは不動産を購入する事業者への投資となるため、税制上の優遇措置を適用できない点には注意が必要です。不動産を所有すれば、所得税や住民税の節税が可能となり、相続の際には相続税の節税にもなります。しかし、不動産を所有していなければ、これらの控除は受けられないため、得た収入分の税金を納めなければなりません。節税対策をしたい場合は、不動産クラウドファンディングではなく、現物投資を選ぶといいでしょう。

 

 

 

不動産クラウドファンディングに向いている人

 

不動産クラウドファンディングに向いている人の特徴として、以下の3つが挙げられます。

 

1.少額から不動産投資を始めたい人
2.手間をかけずに不動産投資を行いたい人
3.不動産投資の基礎的な知識や経験を学びたい人

 

上記のメリットでもご紹介したように、不動産クラウドファンディングは投資後の運用の手間が非常に少なく、副業として本業の合間に行うことが可能です。手間をかけずに投資を行いたいという人にはぴったりな投資方法と言えます。

また、1万円からの少額投資が可能です。もちろん最初から高額の投資を始めてもいいのですが、知識や経験が少ないうちから高額投資をするのは大きなリスクが伴います。不動産クラウドファンディングでは、大規模な物件や開発プロジェクトなど、個人では資金繰りが難しいような物件にも投資できます。こういった大きなプロジェクトへの投資を通じて、不動産投資の基礎的な知識や経験を学んでから高額投資にチャレンジするといいでしょう。

 

 

 

運営会社の選び方や注意点

 

運営会社の選び方にもポイントがあります。不動産クラウドファンディングを行っている企業は、大手グループ企業や中小企業まで様々な規模の企業があります。しかし、ノウハウを充分に蓄積していない事業者も少なくないため、リスクを抑えるためには投資先をしっかりと見極めることが重要です。

 

不動産クラウドファンディングを行うには、管轄官庁(国土交通省や都道府県知事)の許可もしくは認可が必要となります。資本金の額や人的要件等、様々な条件をクリアした事業者が許可や認可を得られます。各事業者が公開している決算報告書等には必ず目を通し、運営会社の信頼性を確認してから投資先を選びましょう。

また、運営会社が取り扱う物件を見ておくことも大切です。他社が開発した不動産を対象とする運営会社よりも、自社開発の物件を対象とする運営会社がおすすめです。自社開発の会社は、どうすれば利回りの良い物件となるかなどを考慮したうえで建築を開始します。資産価値が下がらないことも重視するため、利益を得やすい不動産への投資が可能です。

 

今回は不動産クラウドファンディングについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

今村不動産は、お客様にとって唯一無二の不動産を提供する、総合不動産デベロッパーです。将来に渡って価値が認められる不動産を生み出すため、積極的に自社開発を行なっています。また、中長期経営計画として、直近2年のうちに不動産特定共同事業法の第1号事業の認可を取得すべく、体制構築中です。今後もより良い物件の開発・提案を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。
お客様の投資目的を丁寧にヒアリングし、投資目的に合った物件をご提案することが可能ですので、情報収集だけでもお気軽にお問い合わせください。

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