ゼロから始める副業としてのアパート経営 リスクからメリットまで徹底解説
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近年、「副業解禁」の流れを受けて、会社員や公務員の間で注目されているのが「アパート経営」です。特に、法人を設立せずに始められる「個人事業主」としての不動産投資は、手軽に始められつつも安定的な収益を目指せる点で人気を集めています。
今回は、アパート経営を副業として始めたいとお考えの方に向けて、そのメリットや始め方、注意点までをわかりやすくご紹介いたします。
個人事業主としてのアパート経営とは?
個人事業主とは、法人を設立せずに個人の名前で事業を行う形態です。実は、会社を辞めることなく「副業」としてこの形を取り、アパート経営を始める方が増えています。
国土交通省の統計では、アパート経営者のうち最も多い属性が「会社員」であり、その割合は実に40.6%にのぼります。これに経営者や役員を含めると、半数以上が本業と並行してアパート経営を行っていることになります。また、公務員であっても全体の約4%がアパート経営に携わっているというデータもあります。
アパート経営は「副業」に当たらないケースも
注目すべき点として、アパート経営は一定の条件下では「副業」に該当しない場合があります。国税庁の基準によると、10室未満の集合住宅、あるいは5棟未満の戸建て賃貸であれば「事業」とは見なされず、一般的な副業とは異なる扱いを受けることになります。
この点は、副業を原則禁止している企業や官公庁に勤務されている方にとって、大きなメリットとなります。つまり、一定の条件を満たせば、会社に届け出ることなく不動産経営が可能となるのです。
個人事業主として副業アパート経営を始める6ステップ
アパート経営を副業としてスタートするには、計画的な準備と基礎的な知識の習得が欠かせません。ここでは、個人事業主としてアパート経営を始めるための基本的なステップを順を追ってご紹介します。
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自身の目的と資金計画を明確にする
まずは、アパート経営を始める目的をはっきりさせましょう。
たとえば「老後資金の準備」「本業以外の安定収入を得たい」「節税対策をしたい」など、人によって目的はさまざまです。この目的がブレないことで、物件選びや融資方針にも一貫性が生まれます。
次に、自己資金の把握と、金融機関からの借入を含めた資金計画を立てます。収支シミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てることが、長期安定経営の第一歩です。
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物件選びとエリアのリサーチを行う
物件の選定はアパート経営の成否を左右する最重要ポイントです。
立地、周辺環境、交通利便性、将来の人口動向など、多角的な視点で調査を行いましょう。また、築年数や構造、間取りなども入居者ニーズに合っているかを見極めることが大切です。
不動産会社から提供される資料だけでなく、実際に現地を訪れて周辺の雰囲気や建物の状態を確認することをおすすめします。
希望条件に合った物件が見つからない場合は、不動産投資会社に相談し、非公開物件なども視野に入れて検討するのが効果的です。
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融資の相談と資金調達
自己資金に加えて、金融機関からの融資を活用することで、より規模の大きな物件を購入することが可能になります。
その際は、金融機関によって審査基準や融資条件が異なるため、複数の金融機関に相談するのが理想です。金利、融資期間、返済方法などを比較し、自分の収支計画に合うものを選びましょう。
事前に簡単な事業計画書を用意しておくと、金融機関との交渉もスムーズになります。
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開業届と青色申告承認申請書の提出
個人事業主として正式にスタートするには、「開業届」を税務署に提出する必要があります。併せて「青色申告承認申請書」も提出しておけば、翌年以降の申告で最大65万円の青色申告特別控除が適用されます。
これらはどちらも無料で提出でき、難しい手続きではありませんが、提出期限に注意が必要です(青色申告は開始から2ヶ月以内が原則)。
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管理体制の整備と入居者募集
物件の取得が完了したら、実際の管理業務に入ります。管理会社に委託する場合は、信頼できる会社を選ぶことが肝心です。入居者の募集、家賃の集金、クレーム対応、建物のメンテナンスなど、管理の質が入居率を大きく左右します。
空室期間を最小限に抑えるため、早い段階から募集活動を開始し、ターゲット層に合った賃料設定や広告展開を行いましょう。
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定期的な見直しと確定申告の実施
経営がスタートした後も、定期的な収支の見直しと物件の状況確認は欠かせません。
また、毎年の確定申告では、収入と経費を正確に記録し、適切な税務処理を行う必要があります。青色申告により、節税効果を最大限に活用しましょう。
会計ソフトを活用したり、税理士に相談することで、手間を減らしつつ正確な申告が可能になります。
個人事業主としてアパート経営を行うメリット
アパート経営を個人事業主として行うことには、数多くのメリットがあります。たとえば、次のような点が挙げられます。
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税制上のメリット
個人事業主としてアパート経営を行う最大のメリットは、経費として認められる範囲が広く、所得税や住民税の軽減につながる点です。たとえば、建物の減価償却費や修繕費、火災保険料、管理委託費、ローン金利、さらには通信費や交通費など、事業に関連する支出を経費として計上できます。
さらに、青色申告を選択すれば最大65万円の「青色申告特別控除」を受けられます、。家族に対して給与を支払い、それを経費として処理することも可能なため、家計全体の節税にもつながる仕組みが整っています。
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安定した副収入と長期的な資産形成が可能
アパート経営の収入は、入居者からの家賃が主となるため、比較的安定したキャッシュフローが見込めます。本業以外に継続的な収入源を確保することで、生活の安定や将来への備えがしやすくなります。
また、物件そのものが資産となるため、将来的には不動産の売却による利益(キャピタルゲイン)や、相続・贈与といった資産承継にも活用できます。長期的な視点で見れば、資産形成の手段として非常に有効です。
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損益通算と赤字の繰越による柔軟な税制対応
仮にアパート経営で赤字が出た場合でも、その損失は他の所得(たとえば給与所得)と相殺できる「損益通算」が可能です。その結果、全体の課税所得が圧縮され、税金の負担を抑えることができます。
さらに、その年に相殺しきれなかった赤字は、翌年以降最大3年間にわたって繰り越すことができるため、将来的な節税にもつながります。これらの制度を上手に活用することで、経営リスクをコントロールしやすくなります。
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実務を通じて不動産・経営スキルが身につく
実際にアパート経営を始めると、物件選びから管理、確定申告、契約対応まで、幅広い知識とスキルが自然と身につきます。特に副業として取り組む場合は、本業にはない経験を得られるため、自身のビジネス感覚や資産管理力を高める良い機会にもなります。
また、将来的に法人化を検討する場合にも、個人事業主としての経験が大いに役立ちます。
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法人設立に比べて手軽に始められる
アパート経営を始めるにあたり、「法人を設立しなければならない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、税務署に「開業届」を提出するだけで、個人事業主としてのアパート経営をスタートできます。
法人設立にかかる登記手続きや初期費用が不要なため、比較的ハードルが低く、初めて不動産投資に取り組む方にも適した選択肢といえるでしょう。
想定されるリスクとその対策
アパート経営は安定した収入源となる一方で、いくつかのリスクも伴います。ですが、それぞれのリスクは事前の準備や適切な対応によって、十分に軽減・回避することが可能です。ここでは、個人事業主としてアパート経営を行う上で注意すべき主なリスクと、その対策を具体的にご紹介します。
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空室リスク
入居者がなかなか決まらなかったり、長期間空室が続くと、家賃収入が得られず経営に大きな打撃となります。特に単身向け物件では、入れ替わりが激しくなりやすい傾向があります。
【主な対策】
- 購入前に「立地」「賃貸需要」「周辺競合物件」の調査を徹底する
- ターゲット層(学生・社会人・ファミリーなど)に合った間取りや設備を選ぶ
- 賃料設定を市場相場に合わせ、柔軟に調整する
- 管理会社と連携して、ネット広告・内見対応などの募集活動を積極的に行う
- サブリース(家賃保証)を検討することで、一定の家賃収入を確保する方法もある(ただし契約内容には注意)
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修繕・維持コストの発生
築年数が経過するにつれ、建物や設備の老朽化が進み、修繕・交換が必要となります。突発的なトラブル(給排水の故障、外壁の劣化など)にも備える必要があります。
【主な対策】
- 物件購入時に、過去の修繕履歴やインスペクション(建物診断)を確認する
- 月々の家賃収入の一部を「修繕積立」として確保しておく
- 管理会社と契約する際には、修繕の対応範囲や緊急時の体制を確認しておく
- 築浅の物件や、近年大規模修繕を終えた物件を選ぶことで、初期リスクを抑えられる
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家賃滞納・トラブルのリスク
入居者による家賃の滞納や、近隣住民とのトラブル、室内の破損・違法行為などは、オーナーにとって大きなストレスとなります。
【主な対策】
- 管理会社に「入居審査」や「家賃保証会社の利用」を依頼し、信用力のある入居者を確保する
- 家賃滞納時の対応方法や退去手続きなど、トラブル発生時のフローを事前に明確にしておく
- 信頼できる管理会社に委託することで、トラブル対応を任せられる体制を整える
- 契約書において、原状回復義務や禁止事項をしっかり明記しておく
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金利上昇・ローン返済リスク
変動金利でローンを組んでいる場合、将来的な金利上昇によって返済額が増加し、収益が圧迫されるリスクがあります。また、空室や収益悪化が続くと返済が困難になる可能性もあります。
【主な対策】
- 購入前に複数の金融機関で条件を比較し、無理のない返済計画を立てる
- 金利上昇を見越して、収支計画に一定の余裕を持たせる
- 固定金利型ローンを選択することで、返済額の安定性を確保する
- 返済が困難になった場合に備え、早めに借り換えや条件変更の検討を行う姿勢も重要
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税務・会計のミス
個人事業主としての帳簿管理や確定申告が不十分だと、税務署から指摘を受けたり、不要な税金を支払ってしまう可能性があります。
【主な対策】
- 開業時に「青色申告承認申請書」を提出し、正しい帳簿付けを行う
- 会計ソフトを利用することで、日々の収支を簡単かつ正確に管理できる
- 節税や申告漏れを防ぐために、税理士への相談も視野に入れる
- 経費として認められる項目(減価償却費、管理費、ローン利息など)を把握し、漏れなく申告する
成功するための心構えと実践ポイント
実際に成功しているアパート経営者の多くは、次のような姿勢を持っています。
- 投資前にしっかりと情報収集を行い、リスクを把握している
- 資金計画を明確に立て、無理のない返済計画を設けている
- 管理業務を適切に外部へ委託し、本業と両立できる体制を整えている
- 税制を理解し、節税メリットを最大限に活かしている
- 短期的な収益ではなく、長期的な資産形成を視野に入れている
これらの要素を意識することが、副業としてのアパート経営の成功につながります。
まとめ:将来性ある副業としてのアパート経営
副業としてのアパート経営は、個人事業主という形で始めることで、手軽かつ柔軟に取り組むことが可能です。しかも、資産形成や老後の備えという意味でも、非常に有効な投資手段の一つとなり得ます。
今後の人口動態や不動産市場の変化にも注目しつつ、長期的視野で賃貸経営に取り組むことで、本業に頼らない新たな収入の柱を築くことができるでしょう。
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