不動産投資ローン金利動向ガイド|金利上昇時代の投資戦略
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2025年4月現在、不動産投資ローンの金利は上昇傾向にあり、以前とは異なる戦略が求められています。大手銀行の住宅ローン変動金利が引き上げられたことが、投資用ローンにも影響を及ぼしている状況です。みずほ銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行といった主要銀行が金利を改定し、投資家の皆さまにとって融資環境は変化しています。
この記事では、2025年の不動産投資ローン金利の最新動向はもちろん、金利上昇時代における効果的な投資戦略について詳しく解説していきます。金利変動に不安を感じている方、これから不動産投資を始めたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考に、賢い投資判断にお役立てください。
2025年4月時点の不動産投資ローン金利の現状とは
まずは2025年4月現在、不動産投資ローン金利に関してどのような動向が見られているかについて抑えておきましょう。
・金利上昇トレンド
2025年4月1日、大手銀行の住宅ローン変動金利が一斉に引き上げられました。具体的には、みずほ銀行は0.525%、三菱UFJ銀行は0.55%、りそな銀行は0.25%と、各行で「最優遇金利」の改定が発表されています。この動きは、不動産投資市場にも大きな影響を与えており、投資家の皆様は融資条件の見直しが必要となっていると言えるでしょう。
住宅ローン金利の上昇傾向は顕著です。ダイヤモンド不動産研究所の調査によると、主要14銀行のうち10行が変動金利を引き上げ、10年固定金利については調査対象となった13銀行のうち12行が金利を引き上げる結果となりました。この金利上昇トレンドは2024年10月から始まっており、それまでの長期的な金利低下傾向から明確に反転したことを示しています。
・投資用ローンへの影響
住宅ローンと投資用ローンはそれぞれ異なる金融商品ではありますが、どちらも「不動産ローン」という点で、金融機関の融資姿勢や金利政策など共通の要因に影響を受けます。一般的に、住宅ローンの金利改定は、投資用ローンの金利見直しの前兆となることが多く、投資家の皆様は今後数ヶ月以内に投資用ローンの金利上昇リスクに注意を払う必要があるでしょう。
現在はまだ比較的低い水準を保っている投資用ローンの金利も、今後の見直しが予想されます。そのため、投資計画の早期実行や固定金利への切り替えを検討すべき時期と言えるかもしれません。
金融機関別の投資用ローン金利比較
2025年4月現在の主要な不動産投資ローンの金利情報は以下の通りです。
東京スター銀行
- 商品名:スター不動産担保ローン
- 金利(年率):200% ~ 7.250%
- 借入可能額:100万円 ~ 1億円
- 借入期間:1年 ~ 30年
京葉銀行
- 商品名:不動産担保ローン「フリー住宅ローン」
- 金利(年率):600% ~ 4.300%
- 借入可能額:50万円 ~ 5,000万円
- 借入期間:1年 ~ 30年
滋賀銀行
- 商品名:『しがぎん』目的型ローン(ジャストサポート)不動産担保型
- 金利(年率):250% ~ 5.275%
- 借入可能額:300万円 ~ 4,500万円
- 借入期間:1年 ~ 35年
上記の情報から明らかなように、金融機関によって金利幅が大きく異なっています。特に東京スター銀行では、最低1.2%から最高7.25%と幅広い金利設定となっており、物件の条件や借り手の信用力によって大きく変動することが分かります。
金融機関タイプ別の金利相場
金融機関の種類によっても、金利相場には違いが見られます。2025年4月時点での一般的な金利帯は以下の通りです。
- 都市銀行: 約0%~2.0%
- 地方銀行: 約0%~4.0%
- 信用金庫・信用組合: 約0%~4.0%
- ネット銀行: 約0%~4.0%
- ノンバンク: 約0%~5.0%
都市銀行は比較的低金利での融資を提供していますが、審査基準は厳しい傾向にあると言われています。一方、ノンバンクは金利が高めですが、審査基準が比較的緩やかな場合もあり、ご自身の投資条件に合わせて金融機関を選ぶことが重要です。
住宅ローン金利と投資用ローン金利の関連性
住宅ローンと投資用ローンの金利は、密接に関連しています。住宅ローン金利の変動は「投資用ローンのシグナル」として捉えることができ、どちらも金融機関が貸し出す「不動産向けローン」である以上、同じように政策金利や市場金利の影響を受けるのです。
「2025年4月時点の不動産投資ローン金利の現状とは」の章でも触れた通り、変動金利や10年固定金利の引き上げは多くの金融機関で行われており、この住宅ローンの金利上昇傾向は、銀行の「貸し出しスタンス」が慎重になっている証拠といえます。
銀行のこのスタンスは、投資用ローンの審査厳格化や金利引き上げにつながる可能性もあるのです。投資家の皆様は、このような動向を踏まえて固定金利か変動金利かを適切に選択すること、また、将来的な利上げを見越した戦略を練ることが重要となります。
2025年の不動産投資市場の特徴と傾向
2025年4月時点の融資市場には、以下の3つの特徴的な傾向が見られます。
・新規参入の金融機関の増加
従来は不動産融資に消極的だった銀行(例:auじぶん銀行、イミクレジット、申請インベストメントファイナンスなど)が、新たに不動産投資向け融資に参入しています。
・審査基準の厳格化
金利上昇に伴い、金融機関は融資審査を厳格化する傾向です。特に投資経験の少ない新規投資家に対しては、より厳しい審査が行われることとなるでしょう。
・投資家の信用力重視
金利上昇に伴い、投資家個人の年収や勤務先の安定性、過去の投資実績などが融資判断において重要視される傾向が強まっています。
▪️新規投資家と経験者の融資環境の違い
2025年の融資環境は、投資経験によって大きく異なると言えるでしょう。新規投資家は審査基準の厳格化の影響を強く受け、融資条件が厳しくなる傾向があります。一方、投資実績のある経験者は、相対的に有利な条件で融資を受けられる可能性が高いと考えられます。
新規投資家の皆様は、以下の点に特に注意が必要です。
初回投資は自己資金比率を高める(30%以上が望ましい)
安定した職業と収入の証明を用意する
信用スコアを高めておく
比較的審査の通りやすい物件(都市部の新築・築浅物件など)を選ぶ
金利変動に振り回されない不動産投資のコツ
不動産投資を成功させる鍵はどこにあるでしょうか。ここでは2つの観点から考えてみましょう。
・金利対策
- 金利タイプの最適選択
長期保有を前提とする場合は固定金利、短期売却を視野に入れる場合は変動金利というように、投資戦略に合わせた金利タイプを選択する。
- 繰り上げ返済の活用
余剰資金が発生した場合は繰り上げ返済を行い、総返済額を減らす戦略を検討する。 - 借り換えタイミングの見極め
金利の動向を注視し、有利な条件で借り換えができるタイミングを逃さない。 - 金融機関の分散
複数の金融機関と取引することで、リスク分散と融資条件の比較優位を確保する。
・物件選定基準の見直し
- 高利回り物件の重視
最低でも金利+3%以上の利回りを確保できる物件を選定する。
- 将来的な価値上昇が期待できる立地
交通インフラの発展や再開発計画がある地域の物件を優先する。
- 管理コストの低減
修繕費や管理費が抑えられる新築・築浅物件や、構造がシンプルな物件を選ぶ。
- 安定した入居需要
人口減少の影響を受けにくい大都市圏や、特定のニーズ(学生、単身者など)に特化した物件を選定する。
金利上昇時代を生き抜くために、投資家がすべきこと
このような金利上昇時代において投資家の皆様はどのような行動を取れば良いでしょうか。主に下記5つのアクションが大切です。
・キャッシュフロー余力の確保
金利上昇に耐えられるよう、十分なキャッシュフロー余力を持つ物件選びを心がける。また、金利上昇だけでなく、空室リスク、修繕費増加など、複合的なリスクを想定した管理体制を構築する。
・変動金利ローンのリスク管理
現在変動金利で借りている場合は、今後の返済額増加に備えた資金準備や、固定金利への借り換え検討を行う。
・投資戦略の見直し
金利上昇が収益性に与える影響を詳細に分析し、十分なマージンを持った投資計画を立てる。また、短期売却型から長期保有型へシフトチェンジしたり、レバレッジ(借入比率)を調整したりといった、金利環境に適した投資戦略へ見直す。
・情報収集の強化
金融政策や市場動向に関する情報収集を強化し、金利変動の兆候を早期に捉える習慣をつける。
・適切な金融機関選び
都市銀行、地方銀行、信用金庫など、多様な金融機関の特性を理解し、最適な融資先を選択する。
2025年の金利上昇を機に、投資戦略を見つめ直そう
金利上昇時代の不動産投資は、これまで以上に慎重な分析と戦略が求められますが、適切な対応を取ることで十分に収益を上げることは可能です。市場環境の変化を「機会」と捉え、新たな投資アプローチを模索することが、2025年の不動産投資成功の鍵となるでしょう。
私たち今村不動産では、不動産の開発やご紹介以外にも、提携している税理士など専門家のご紹介も可能です。不動産投資ローンの借り換えや金融機関選びなど、金利上昇への対策もサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。



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