不動産投資は何歳から始めるべき? 年齢ごとの不動産運用戦略
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結論から言えば、不動産投資に年齢制限はありません。資産運用の手段として不動産投資を検討する場合、何歳であろうとも物件の取得運用は可能です。とはいえ、不動産投資を始める年齢によって、取るべき戦略や考え方は変わってきます。
働き盛りの20代~30代であれば出来る限り長期でローンを組み、コツコツと長期的に資産を殖やしていくことが望ましいでしょう。一方、40代~50代以降の方であれば、社会的なステータスが金融機関の審査において有利に働く一方で、融資期間や団信に制約が課されるケースも出てきます。
今回は「自分の年齢で不動産投資を始めるのは実際どうなんだろう」と考えている方に向けて、20~30代、40~50代、60代以降の3つの年代に分けて、それぞれの年代にける不動産投資におけるメリット・デメリットやリスク、取るべき戦略についてご紹介していきます。
不動産投資のボリューム年代は?
不動産投資家の85%超が30~50代
LIFULL HOME’Sの調査によると、不動産賃貸物件オーナーの年齢構成は、
1位:40代(35.2%)
2位:50代(28.4%)
3位:30代(22.8%)
となっており、86.4%の人が30~50代の働き盛り世代となっています。また、同調査では不動産賃貸物件オーナーの職業についても調べていますが、全体の1/4近くにあたる24%が「会社員(一般社員)」となっていおり、続いて「会社員(管理職)」が19%、「会社経営者・役員」が16%。過半数の59%が会社勤め、あるいは経営に携わる傍ら不動産投資を行っていることが分かっています。
不動産投資と聞くと「一部の限られたお金持ちがやるもの」「時間に余裕のある資産家がやるもの」というイメージはすでに過去のもの。実は30~50代の働き盛りがもっとも多く、その過半数は会社員の「サラリーマン大家さん」であることが同調査にて判明しています。
では、年代ごとの不動産投資を行う場合のメリット・デメリットやポイントについて見ていきましょう。
若いからこそ戦略的に!
20~30代の不動産投資戦略
20〜30代が持つ最大の武器は「若さと時間」です。ローンの組み方によっては定年前に完済できる可能性も高く、収入が安定しているうちに返済を終えられるということは大きなメリットとなります。長期で融資を受けることが出来るということは、それだけ毎月の返済を少なくして、家賃収入との差額であるCF(キャッシュフロー)を生み出すことが出来ます。
ただし、この年代は将来の不確定要素が多く、選択肢も多いため「投資運用の目的」についてはじっくり考える必要があります。「副業で月々の収入を増やしてより安定した生活を送りたい」「子供の教育費やマイホームの購入に向けて1,000万円を資産形成したい」といったように「どのような目的で」「どれくらいの金額を」「いつまでに」資産形成するのかを明確にしておくといいでしょう。もう少し詳しく見ていきましょう。
<20代の不動産投資>
20代から不動産投資を始めるメリットとして、1つ目は退職まで時間があるので長期的な投資を目指せること、2つ目は複数物件で投資をしてもローン返済年数が早く完済できることです。労働収入が長い期間可能となる分長期投資に向いているのが強みです。デメリットは社会人としてまだ年数が経過していないこともあり、ローンの審査面で通らない傾向です。注意点としては、計画性のない物件購入を避けること、ライフイベントも迎えることを見据えて投資計画を建てることです。自己資金がなかなか用意することが難しい方も多い年代なので、まずは不動産小口商品で購入して、不動産価格の動向や投資傾向を探りながら運用していくことも投資方法の一つです。
<30代の不動産投資>
30代で不動産投資を行う場合、20代よりも社会的信用がついてローンが通りやすい傾向にあります。また、40代以降よりもまだまだ現役の時間が長いため、ローンの組み方によっては定年前に完済できる可能性も高く、収入が安定しているうちに返済を終えられるということが大きなメリットとなります。デメリットとしては、結婚・出産・住宅購入など節目となるライフイベントが多い年代なので、大きい出費が多い点です。
また、20代と比べて重要な仕事を任されやすい時期なので、資産運用に時間が取れない可能性もあります。特に注意すべきは住宅ローンと不動産投資ローンの二重払い。ローンの支払いで目の前の家庭の支出が大きくなっては本末転倒です。仕事とプライベートで忙しくなる30代ですが、収益性のある物件選定をしっかり行えば不動産投資を始めるには最適な時期かもしれません。不動産投資ローンの団体信用生命保険加入に加入すれば生命保険の代わりになるため、万が一のことがあっても家族に財産を残せます。
ローン返済バランスが鍵!
40~50代の不動産投資戦略
20~30代で不動産投資を始める場合と比較して「社会的ステータスがあること」そして「自身の将来設計に真剣に向き合える年代であること」が大きなメリットです。社会人としての経験年数が増えてくると、会社内での地位も上がり、役職についている方も多くなってきます。これは銀行からの融資を引くうえでも非常に重要な要素となります。また、若い頃と比べて年収も高くなり、これも金融機関から返済能力を判断されるうえで非常に重要な要素となります。また、一般的に言えばこの年代になると、定年退職のことを少しずつ意識するようになり、家族や自身の未来について真剣に考えることが増えて来ます。その意味でも、社会経験を積んで知識もある状態で、人生計画を軸に不動産投資を考えられる最適な年代だと言えるでしょう。
とはいえ、デメリットもあります。具体的には融資期間が短いこと、体調によっては団信に加入できない可能性があることです。金融機関の融資条件を調べる際に、最長の融資期間だけを見て判断する方もいますが、それぞれの金融機関が定める完済年齢についても併せて確認する必要があります。また、体に不調があったり持病を抱えているような場合には、団信に加入できない可能性が出てきます。「保険の代わりに不動産投資を始めようとしたのに団信に入れなかった」となっては本末転倒です。
<40代の不動産投資>
40代は年収や職歴といった本人属性の高さと、返済期間の長さのバランスがもっとも安定した年代だと言えるでしょう。また、この年代になると結婚やマイホーム購入をすでに済ませている人も増えてくるので、将来のことをイメージしやすく、より具体的な目的や目標を設定しやすい傾向にあります。一方で仕事で重要なポジションを任される年代でもあり、忙しくて運用に時間がとれないケースも多く、物件選定や自己資金の形成に慎重になる必要があるでしょう。だからこそ、働きながらも物件管理ができる範囲で運用することが必須です。収益性が高く、管理は管理会社に任せるなど忙しくても運用に困らない環境を作ることが大切です。
<50代の不動産投資>
子育ても落ち着いて物件の運用に時間がかけられること、不動産投資に使える自己資金がある程度あることがメリットです。50代になるとより本人属性も高くなりますが、前述の通り返済期間の短さや団信加入時の制限などが生じてきます。また、50代後半になると、役職定年を迎える人も出てきます。役職定年を迎えると収入が減少するため、ローン返済時のシミュレーションを組む際にはこうした変化も考慮する必要があります。限られた融資期間でキャッシュフローを回していく必要があるので、ローンに合わせた物件選定がとても重要になってきます。また、今後の金利上昇に備えて繰り上げ返済を検討するなど計画的なローン返済を行うこともポイントです。
次の世代を見据えて
60代以降の不動産投資戦略
60代以降で不動産投資を始めることのメリットは、次の世代への資産を残すことができる、退職金などの自己資金を充てることができることが挙げられます。不動産投資は、FXや仮想通貨と異なり、実際に存在する資産を対象に投資を行います。ご自身が選んだ物件を、将来の世代に残すことが出来るというのは、純粋な投資以上の意味を含んでいるでしょう。
60代以上ともなると、不動産投資=バブル崩壊を連想される方も多いかもしれません。ただ、現在の不動産投資はバブル時代に行われていた投資とは全く異なります。当時は、自分が買った価格よりどれだけ高く売れるか、というキャピタルゲインを追い求めるような投資手法でしたが、今は毎月の家賃収入をコツコツと積み上げる、いわゆるインカムゲイン型の投資手法であると考えられているからです。
<60代以降の不動産投資>
退職金や貯蓄を活用して少しでも資産を活用したいと考えている60代以降の不動産投資。動産投資や物件管理の時間が取れる、退職金や貯蓄があるので不動産投資に使える資金がある反面、現役世代とは違って不動産ローンの審査が年齢的に通過しにくいこともあります。また、物件選定などでミスをした場合、投資の失敗リカバリーが難しくなります。ポイントは収益性や相続の面で評価価値が高いエリアの選定でしょう。また、短期的に売却益を期待する投資スタイルで体力や気力がある間に運用するのも方法のひとつです。さらに、不動産は相続税の軽減に役立ちます。残された遺族に税負担なく相続できるように資産を守る選択肢としても、この年代の不動産投資は魅力的です。
年代ごとの不動産投資は
年齢に合わせた出口戦略が重要
不動産投資は取り組む年齢にによって考え方が変わるため「20代だから早すぎる」「50代・60代だから遅すぎる」ということはありません。不動産投資をするのに適したおすすめの年齢があるものではないのです。若い世代であれば長期運用を継続できるためキャッシュフローを見込むことができますし、年齢を重ねてからは売却によるキャピタルゲインを狙うことや、相続税対策に有効となります。
重要なことはどの年代でも自分の自己資金や投資傾向にあった運用を行うことです。不動産投資ローンを活用するにも返済期間や融資金額を計画的に返済できるのか?物件の収益性が確実に期待できるのか?何歳で収益化できるのか?不動産投資は大きなお金が必要です。自分に合う投資スタイルを見つけることが大切になってきます。
今村不動産には元大手銀行出身社も在籍しています。物件のご相談のみならず、不動産投資戦略全般のサポートも可能ですので、不動産投資について課題やお悩みをお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください!



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